2週間ほど前に買ったスマホ(Redmi Note 10 Pro)が一向に届かず、なんと今さらキャンセルされてしまった話。同じ悲しみを味わう人が減ることを願ってその顛末を書いてみる。
なんか説教臭くなってしまったけどイライラしてるんだ察しておくれ。
MVNO:ムダを削ぎ落とした運営体制
2021年10月21日より「ドコモのエコノミーMVNO」として取り扱いが始まるOCNモバイルONE。現在の窓口は「OCNモバイルONE」Webサイトのみ。
元々徹底したコスト削減で運営されている。MVNOはどこも同じだと思うけど。
問い合わせ窓口も「自動チャット」と「問い合わせフォーム」が基本。それらで対応できない場合にのみ電話応対も用意はされているが、電話番号は深い階層に隠れていて簡単に見つからない。そしてなかなか繋がらないまでがテンプレ。
客を呼び込むために、申し込みサイトにはあちこちにQ&Aや自動チャットへの誘導がされているけど、契約後の窓口は割と不親切なことが多い。
あれ?中身は別会社・・・
OCNモバイルONEを契約した事がある人なら分かると思うけど、中は2つの会社に分かれていて、それぞれ別々に契約する形になる。
Webサイトは表面的には「OCNモバイルONE」なんだけど、申込みを始めるといつの間にか「goo Simseller」という窓口に通されている。(goo Simseller はNTTレゾナントが運営する格安スマホ販売会社)
格安スマホの販売代理店 goo Simseller
OCNモバイルONEから申し込むと一見気づかないんだけど、実はgoo Simsellerは「NTTdocomo」の端末も扱っている。
ここまでの話で察しの良い人なら気付くと思う。回線契約は「OCNモバイルONE」と結ぶのだけど、端末は「goo Simseller」との契約になる。平たく言うと、goo Simsellerは「OCNモバイルONEの契約代理店」となる。
なのでスマホセットを申し込む際はgoo Simsellerと契約を結び、端末の決済が済んだ後に今度はOCNモバイルONE(回線)の契約に進む。
文章にするとややこしいけど、要はgoo Simsellerは「露天販売していない携帯ショップ」だと思ってもらえればいい。最近こういった実店舗は少なくなっているが、ひと昔前の携帯ビジネスの名残りみたいなもの。
分かりづらい原因のひとつ
何故かは分からないが、「OCNモバイルONEのサイト」にはこういった事情をぼかすような意匠が施されている。サイト内の商品ページには「goo Simseller」という表記がほぼ見られない。10画面近く下にスクロールして1箇所だけ10pxほどの小さな表記を見つけた。
運営母体は同じNTTだと思えば違和感はないかもしれないが、申込ボタンを押した瞬間から別会社に飛ばされるので留意はしておこう。
俺自身、去年初めて申し込んだときは意味がわからず躊躇った記憶がある。「OCNモバイルONE」に申し込んだのに、気づくと「goo Simseller」とかいう会社と契約させられている。なぜ?といった具合。
まあこのぐらいならよくある話。大企業ともなれば末端ほど細分化してリスク分散や収益の安定向上を狙うもの。仕方ない。やり方はどうあれ。
契約トラブル その1
話を戻す。俺は2週間前に Redmi Note 10 Pro が7,700円だったので申し込んだ。安い。
申し込み中に本人確認書類を提出する段でスマホのブラウザがエラーを吐いた。誤解のないように補足しておくと、スマホ自体のエラーではなく向こう側からエラーを返された。画像のアップロードに失敗したようだ。それぐらいなら別にいい。しかし悲劇はここから。
エラー表示から前にも後ろにも進めないクソ仕様となっていた。挙句の果てに「もう一度最初から手続きを始めてください」と言われる始末。
だけどすでに途中で端末の決済は済んでるんだよな・・・
つまり、回線の審査・申し込み前の時点で「スマホ代金は先にお支払いいただきますね」といった感じ。もう一度最初からやり直すのは良いけど端末代 2台分請求されないよな・・・?
この段階で起きていることを整理する。
- OCNモバイルONEのサイトからスマホセットを「申し込む」ボタンを押した
- goo Simsellerで個人情報を入力して端末を決済 端末代7,700円
- OCNモバイルONE(回線)の契約に進む
- 個人情報を入力して本人確認書類を写真を撮ってアップロード。失敗。
- goo「もう一度最初からやり直してください^^」
- 俺「いやいや、もうすでに端末の決済終わってるんですけど?」
ここから問い合わせを送ったり、全自動チャットロボとじゃれ合ったり、長い時間待たされた挙げ句やっと人間様のチャットサポートに繋がり、事の顛末を説明してキャンセルまでこぎつけるのに半日を要した。疲れた。
とにかく契約トラブルが発生したときのため、人力サポートは必要。ここをケチると企業の信用は消しくずのように吹き飛ぶ。右も左も分からない情弱まで相手にする必要はないが、手続きのトラブルは付き物なのだから迅速に対応できる準備は必要。そこまでコスト削減してしまうと客足をどんどん逃がすことになる。
関係ないが、俺はこの申し込み前に免許証記載の住所が現住所と違っていたので、片道30分掛けて市役所まで住民票を取りに行ってきた。しかも徒歩で!
引きこもりが1時間以上クソ暑い中を歩き続けるとどうなるかぐらい想像がつく。それからのこれである。もうスマホなんかどうでもよくなった。ヘトヘト。
契約トラブル その2
その後、なんだかんだでやっぱり7,700円のRedmi Note 10 Proには未練タラタラだったので、ヘトヘトになりながらも申し込みを最初からやり直した。今度はOK!上手くいった。
商品到着まで1週間とのことなので、首を長くして待つことにした。そしてこれが悲劇の始まりだった。
気付いたら申込みから12日も経過していた。遅い。公式にも1週間で到着と書かれてあるし、以前に申し込んだときもそれぐらいで届いたはず。そこまでに気づけよと言われるかもしれないが、俺は俺で忙しい。スマホのことばかり考えてるワケにも行かない。
メールチェックしてみたところ何の音沙汰もなし。メールが着ていたら気づくはず。どうなってんだよおおおおおおおおおおおお!
こうなったら、重い腰を上げてgoo Simsellerのサイトを片っ端からチェックすることにした。なんせ携帯各社のサイトは読みにくい。情弱を釣るために敢えてこんなデザインにしているから仕方ないのだけど、いざ自分が当事者になると改めて思う。
どういうこと・・・?
そして見つけた「購入履歴」のページ。ここには過去に購入した端末や、前述の件でキャンセルした申込みの情報も載っていた。こんなところで一元管理されていたのか。知らなかった。
それより何より肝心なのは申込みの進捗状況だ。「本人確認中」で止まってるんですけどおおおおおおおおおお?どういうこと?
本人確認書類は申込時に提出したはず。だから受理したんでしょう?なにを言ってるんだお前は・・・
ここで嫌な予感が頭をよぎった。まさか・・・
メールチェック「灯台下暗し・・・??」
俺はすぐさまメーラーを開いてチェック。
「あった」
OCNの別アドレスからのメールが3通、迷惑フォルダーに入っていた。内容は・・・
- 1通目:本人確認に不備があり、再度確認書類をアップロードせよ。
- 2通目:3日後の日付で同内容のメール。
- 3通目:5日後の日付「本人確認が出来なかったため今回のお申込みをキャンセル・・・」
おいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!知らんがな!
そもそもお前どうして迷惑フォルダーに入れられてるんだよ!? それならそうと事前に迷惑フォルダーに気をつける旨を言っといてくれよ。これまでのやり取りでgoo Simsellerからのメールも、OCNモバイルONEからのメールも普通に届いてたのだから。まさか裏アドみたいな別アドレスから来るとは思わんだろ普通。
そりゃ迷惑フォルダーチェックしなかった俺にも非があるのかもしれないが納得いかない。そもそも迷惑フォルダーなんて頻繁に確認するものではない。暇じゃないんだよ。そのために「迷惑フォルダー」があるんだろ?
とりあえずgoo Simsellerに連絡
この時点で萎えてしまったのでもうどうでも良くなっているが、とりあえず7,700円が宙に浮いたままだし状況を説明しておかないと。
もう深夜で翌日は休日だからサポートもやってないだろうし、とりあえず事の顛末をまとめて問い合わせフォームに投げた。そしたら午前中に返信が来ていたが、テンプレ文をそのまま貼り付けたような回答で、まったく質問に対する答えになっていない。
「恐れ入りますが、お客様ご自身で商品ページを確認して頂き、お買い求めの商品がございましたらご検討いただけますと幸いです。」
言葉が通じていない。中の人は中華か?これはもうダメだ。
再度申し込もうにもRedmi Note 10 Proはもう通常価格にもどってる。(24,190円)
もうやめた(笑)
OCNモバイルONEを申し込むにあたって注意
とにかくMVNOはコストを徹底的に下げる戦略で運営されているので、意外と融通がきかない。
必要な情報はすべてWebページに記載されているのだから、すべてを読んだ上で決めたのは貴方でしょう?というスタンス。イレギュラー対応の処理まで手が回らないというのが本音なのだろう。そこにコストを掛ける気はないといった感じ。
だから応答も極めて事務的。代替案や提案もない。「Yes」or「No」のみ。そこに選択肢を与えてしまえばコストに響くのだろう。ある意味、安さのための徹底したエコ・システム。ドコモショップで展開を始めるのはある意味正解。
これを踏まえた上で、OCNモバイルONEに申し込む前の心得と、必要な準備を列記してみる。これから申し込む人の参考になれば幸い。
- 住所・氏名・電話番号などの個人情報と正確に一致した「本人確認書類」が必要
- 本人確認書類によっては「補助書類」が必要なのでそれも事前に用意しておくこと
- それらの書類は事前に撮影し、画像ファイルとして用意しておく(鮮明な画像 サイズは1~2MB以内)ちなみに入力時に撮影していたらタイムアウトを食らった。
- 申し込み中のトラブルに備えてブラウザ・及び端末は再起動しておいたほうが良い(画像送信でトラブルが起きた)
- 当然クレジットカードも手元に用意しておく
- 記入はムダなく手早くスムーズに。サイトによってはモタモタしているとタイムアウトするクソUIもある。
- とにかく申し込み中は手を止めてはいけない。一気にやってしまおう。
- 【重要】迷惑フォルダーは毎日チェック!向こうから飛んでくるメアドは1種類とは限らない。しかもそれが迷惑フォルダーに放り込まれるなんてこっちが知る由もない・・・
まとめ
Amazonほどしっかりコストが掛けられた優秀なシステムだとこんなトラブルは起き得ないのだけど、日本のECサイトは決済周りの仕様が心許ない。正直これまで良い印象がまったくない。
店舗によっては90年代のホームページみたいな、これホントに申し込んで大丈夫かね?みたいなサイトも稀に見かける。この辺りもコストや意識が見え隠れする部分ではあるのかもね。
そう考えるとネットでの買い物はやっぱり決済サービスを経由した方が安心かもしれない。ECサイトなのに客の不安を煽る設計思想は根本的におかしい。そして今どき電子マネーなどの選択肢がないサービスもヤバイ。
OCNモバイルONEに申し込んだ人はいま一度、メールをチェックしよう。迷惑フォルダーも忘れずに。
以前の記事にOCNモバイルONEをおすすめする記事を書いたが、こういった側面もあることを加味して利用する際は自己責任で。ってことー。
OCNモバイルONEの記事はもうひとつ書く予定だったけどやめた!