【書籍紹介】
クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST “君がつくるべきもの” をつくれるようになるために
小説家のジョナサン・レセムがこんなことを言っている。
「何かを”オリジナル”と呼ぶやつは、十中八九、元ネタを知らないだけなんだ」
定番中の定番、ベストセラー。今日はこの本を紹介。
もしあなたがクリエイター、そうでなくても何か気づきを得たいと思っているのなら、読んで損はない1冊。
好きならとことんやる
今やネットが普及したおかげで、たくさんのクリエイターが活動の幅を広げている。
- 歌います
- ピアノ弾きます
- イラスト描きます
- プラモ作ります
- 料理作ります
- 日曜大工やってます
分かりやすいところで言うと、Youtubeにはこういった「〇〇やってみた」系の動画があふれている。これはべつに現代に現れた「新人類」というワケではなく、20年前でも30年前でもやってる人はやっていた。
単純に「好き」でやってるひとの原動力は「好き」であること以外の何物でもないから、他人から何を言われようとやる人はずーっとやってる。
今と昔の大きな違いは、情報の伝搬する範囲やスピードがとてつもなく未達だったから「公に披露する」発想に至らなかっただけ。
「あわよくば見てもらいたい」「あわよくば知ってもらいたい」ぐらいは、誰しも心の片隅で燻ぶらせていたと思う。
アウトプットし続ける上での悩み
「表現する」という行為は誰かに伝わってこそ、はじめて成し遂げられる。最初は「自己満足」でも、想いを抱えきれなくなった時に「クリエイティブ」という自我に置き換わるものだと思う。
- 好きでいるうちは自己満足
- 伝えたいがために動けばクリエイティブ
クリエイティブは続けることで自身の視野や知見をどんどんレベルアップできる。クオリティが上がるとアウトプットもどんどん研ぎ澄まされていく。だから先人達は口を揃えて「止まらずにアウトプットし続けろ」と言う。
だけどそうやってがむしゃらに走り続けていると、必ずどこかで頭を打つ時が来る。
それは自身の能力が枯渇したのではなく、磨き続けたことで自身の要求度もひたすらレベルアップしていった結果。もう自分に満足できなくなっているのだ。
この本を読めば何らかの発見・気づきをもらえる
ここから本題。
いつも言ってることだけど、現代にオリジナルなんて存在しない。大半は自身が吸収して糧となった「知恵」や「情報」を咀嚼して吐き出したもの。
一見オリジナリティに溢れているように見えても、それは受け手しだいで簡単にひっくり返る。分かる人からすれば手垢まみれなのは見て取れる。世間の人が気づいていないだけ。
どんな斬新なアイデアも誰かの影響を少なからず受けている。だから人はオリジナルとは何かをひたすら追求し続ける。
この本には、そういった悩みや苦悩から心を開放してくれるアイデアやノウハウが詰まっている。
本書の構成
- アーティストのように盗め!
- 自分探しは後回し
- 自分の読みたい本を書こう
- 手を使おう
- 本業以外も大切に
- いいものつくって、みんなと共有
- 場所にこだわらない
- 他人には親切に(世界は小さな町だ)
- 平凡に生きよう(仕事がはかどる唯一の道だ)
- 創造力は引き算だ
難しい言葉の羅列や活字がギッシリ詰まったタイプの参考書ではなく、絵本やポエムのようにスラスラ読める。
「デヴィッド・ボウイ」「ジェイ・Z」「ジム・ジャームッシュ」「山本耀司」「ブライアン・イーノ」「スティーブ・ジョブズ」の言葉の引用が散りばめられ、分かりやすく説かれている。
特別な秘密が書かれているわけではないし、魔法が手に入るわけでもない。
ただ、読むことで頭の中のどこかの鍵がカチャっと解ける、そんな本。
クリエイティブに生きる人も、仕事で行き詰まってる人にも、手に取れば大きな助けになってくれるに違いない。